LPOD導入 成功事例

 文化通信BB 2014年(平成26年)4月28日(月曜日)増刊

新型試聴機 LPOD Play 導入で
他店との差別化を実現WAYガーデンパーク和歌山店

オー・エンターテイメント(本社大阪市・大桑友朗社長)が運営するWAYは現在43店舗を展開。このうちグループ最大のガーデンパーク和歌山店をはじめ、主要8店舗に2013年11月、光和コンピューターのタブレット試聴機(LPOD Play)18台とバーコード検索・試聴機(LPOD親機)4台を導入したことで、競争が激化してきたエリアにおいて、他店と明確な差別化が実現できているという。

■和歌山県内最大の規模

同社は和歌山県を中心に近畿圏で書籍、CDのみならず、スポーツクラブやシネマ、カフェ、予備校まで多角経営を展開。書籍、CD、DVDのセル、レンタル業などを担うWAYは43店舗まで広がりを見せている。

中でも旗艦店に位置付けるガーデンパーク和歌山店は、グループのチェーンスーパー、オークワ(和歌山市)が運営する大型商業施設ガーデンパーク和歌山の1、2階に、売場面積グループ最大、和歌山県下でも最大となる1050坪を誇る。

このうち280坪でセルとレンタルのCDなどマルチメディア商材を扱う。同店は売り場の大きさと24時間営業(年中無休)ということもあり、スタッフは総勢約100人(社員10人)でローテーションを組んでいる。

■コスト減、音源量が増加

2004年にオープンした同店だが、光和コンピューター製の最新機 LPOD Play 導入までは同社の旧型LPODと他社製品を併用していた。他社機は昨今、手配が難しくなったサンプルCDを録音して、それも3曲までしか試聴できない。また新機種の製造を中止し、既存機のメンテナンスも不十分だった。そこで、光和コンピューターから新機種の提案があり、開店から10年が経ち、競合店対策もあって、店内の大幅リニューアルを構想する中で、試聴機新機器導入に踏み切った。

WAY営業本部セルCD・EC担当・小竹潤バイヤーは、LPOD導入のメリットを「コストも下がり、取り込める音源量も膨大に増えた。サンプルCDどころか、店に在庫がなくてもLPODでは試聴は可能。お客様的にもディスプレイにジャケットが写るので、操作が簡単。当店の客層は老若男女幅広く、実際、試聴された高齢者の方にも喜ばれている。なにより近隣他店と大きく差別化できていることが実感できる」と話す。

■導入がゴールではない

2003年に入社した小竹バイヤーは音楽好きでCD部門を希望していたが、数店舗を経て、書店員としても従事し、3年目には店長に。6年目にガーデンパーク和歌山店で念願のCD担当としてリーダー職に就き、2012年に現在のバイヤーとして商品仕入れ、店舗運営に携わる。

新機器導入において構想当初は全国的に斜陽傾向にあるCD部門への投資を疑問視する空気も社内には漂っていたというが、小竹バイヤーの「CD部門を成長させたい」「手を打って売り上げ減を食い止めなければ」との強い思いから、時間をかけて導入を訴え続け、会社のゴーサインを得た。

それだけにプレッシャーも大きく、小竹氏は「LPOD導入がゴールではない」と強調する。設置方法にもこだわり、透明アクリル板の壁沿いにタブレットを並べ、通路向いの書籍売場や通路からも試聴機の存在を明瞭にした。試聴している人がいればさらに目立つ場所だ。

■スタッフの提案力が大切

小竹バイヤーは「地域一番の品揃えと売場面積、さらに最新機器 LPOD Play の導入、ここまでしてやっと半分。もっとも大切なことは現場スタッフの提案意識と実行力。最新機器でも使いこなさなければ意味がない」と語る。

「例えばCDショップ大賞(全日本CDショップ店員組合)が発表されたその日のうちに試聴機にベスト10を入れるなどは最低限すべきこと。機械が優れていても『同じ曲しか聴けない』ではお客様は離れていく」と目を光らせる。

「CDも本もネットで購入する人が増え、リアル店舗の是非が問われている。機械をしっかり使いこなし、スタッフの提案性が生まれてほしい。そしてお客様から『この店には音楽好きの店員さんがたくさんいる』と思われる店づくりをしていきたい」と、語ってくれた。

WAYガーデンパーク和歌山店
住所:和歌山県和歌山市松江向鵜ノ島1469-1
電話:073-480-5900

 文化通信BB 2013年(平成25年)12月23日(月曜日)増刊

タブレット試聴機9台を導入
提案型の売場作りに貢献フタバ図書サウンドTERA広島府中店

フタバ図書サウンドTERA広島府中店は、今年7月、光和コンピューターのタブレット試聴機 LPOD Play を9台導入し、各コーナーで展開する商品の試聴に活用することで、売り場の提案力向上に寄与しているという。

■客層に合わせジャズ・クラシックなど品揃え

同店が営業するTERA広島府中店は、フタバ図書の店舗で最大級となる1370坪の売場面積を持ち、本、ゲーム、CD、DVD/Blu-ray、トレカ、文具の販売と、ゲーム、CD、DVD/Blu-ray、トレカの中古販売、そして本、ゲーム、トレカ、CD、DVDの買取も行う大型複合店舗だ。

サウンドTERA広島府中店は、同店の中で280坪を占めており、営業時間は9〜23時、年中無休で営業。従業員は社員2人とアルバイト22人。遠藤祐司店長は、入社当初同店に配属となり、その後、明石店、アルティ福山本店、商品部、MEGA中筋店を経て、今年4月に店長として同店に着任した。

「休日は10〜20代のお客様も多いですが、平日は年齢が高めの方が多くなります」と、遠藤店長は同店の客層について説明する。

こうした客層にあわせて、ジャズやクラッシックを厚めに揃え、J-POPも70〜80年代の楽曲を多くしているという。売り上げ構成ではやはり新譜が大きな比率を占めるが、在庫はこうした高めの年齢を意識した商品が20〜25%を占めているという。

■ラジオ番組の公開放送も

また、同店の特徴の一つが、ラジオのブースとステージを備えたイベントコーナーだ。 ミニコンサートなどのイベントは週に1〜2回は開き、人気のアーチストが来店すると、黒山の人だかりになることもある。

ラジオブースでは、広島エフエム (HFM) が 毎週金曜16時半〜20時に放送している「庄司悟のリクエスト魂」の公開放送も行っている。これは地域の他店舗にはない設備だ。

■試聴機で提案型売場を展開

試聴機はこれまで設置型のバーコード、試聴機を導入していたが、売場の仕器を変更するリニューアルにあわせて、光和コンピューターのバーコード検索・試聴機(LPOD親機)2台と、タブレット試聴機(LPOD PLay)9台を導入した。

LPOD導入によって、まずコストが下がるという効果があったというが、遠藤店長は「タブレット試聴機は棚に設置できるので、そこで展開している商品をすぐに聴いていただけます。各ジャンルの棚やエンド台に設置して、提案型の売場を作ることができます」と、これまでより積極的な売り場展開が可能になる点をメリットとしてあげる。

実際に、タブレット試聴機 LPOD Play は新譜コーナーに2台、洋楽新譜コーナーに1台、J-POP平台に2台、エンド台に2台、ジャズコーナーに1台、アニメコーナーに1台を配置。それぞれ面陳などでアピールしている商品を試聴できるようにしている。

■関連商品で展開の幅広がる

また、このLPODシステムでは、登録した曲に関連する曲が選択できるため、「新譜を入れるとそのアーティストの旧譜などが出てくるので、展開しやすくなりました。ただ単に聴いていただくだけではなく、提案の幅が広がるということは、CDショップにとっては大きいことです」と遠藤店長は話す。

遠藤店長は、ネットでの配信などが普及する中で、若い世代が音楽を買う習慣がなくなりつつあると感じるという。そんななかで「良い売場を作 って提案していくしかない」と考えている。そんな戦略を実践するために、タブレット試聴機 LPOD Play は威力を発揮しそうだ。

フタバ図書サウンド TERA 広島府中店
住所:広島県安芸郡府中町大須2-1-1-3022 イオンモール広島府中3F
電話:082-561-0773

タブレット試聴機LPOD Play
セルCD売り場の活性化を実現TSUTAYA甲府昭和店

山梨県のほぼ中央に位置する甲府市にて運営しているTSUTAYA甲府昭和店。
TSUTAYAグループの中でもCDセル部門において、上位クラスの売上実績をほこる店舗です。
そのCDセル部門において、苦戦する声が多い中、TSUTAYA甲府昭和店では、更にCDセルに注力する為、タブレット試聴機 LPOD Play を導入しました。

■県内有数の複合量販店

TSUTAYA甲府昭和店はDVDレンタルやCDを取り扱う複合量販店として県内で最大規模となる250坪の売り場面積をもつ店舗です。このうちの約30坪がCDのセル販売コーナーとなっており、社員2名、その他のスタッフ27名程でローテーションを組んでいます。そのスタッフを取りまとめる佐野店長に今回取材をさせていただきました。

── 「CDセルが苦戦と言われる中、実際に店舗の方ではどう感じますか?」

佐野店長「常連の方がいらっしやるので他店舗よりは安定しているかと思いますが、ここ数年は月々でいうと新譜に頼るのが正直なところです。あとはECサイトにお客様が流れる可能性も感じるので、店で新しい物、薦められる物をしっかり展開できるように意識してます。」

── 「そんな中でもCDセルを続ける理由はなんですか?」

佐野店長「住宅地が近い事もあって固定のお客さんがいらっしゃいますので。あと特定のアーティストの方なんかは予約もしてもらえてますし続ける意味を感じてます。しっかりオペレーションできているから安心してもらえてるかもしれませんね。最近の傾向としては、コミックレンタルの回転数が良いので、関連するCDなんかも売れてますし複合店として必要な売り場と思っています。」

── 「なるほど。実際、売上もグループ内でも上位をキープできるのは何故ですか?」

佐野店長「常連の方に対しても飽きない売り場作りを心掛けてます。その為にも、まめに商品のレイアウト変えを行ってますね。 これはスタッフも意識して取り組んでもらってます。発売から1週間が勝負なので、強力にプッシュしますし、逆に1週間たった物をどう配置していくかはすごく考えてます。」

── 「タブレット試聴機 LPOD Play を検討するに至った理由を教えてもらえますか?」

佐野店長「きっかけはDMですね。新譜をもっとプッシュしたいし、発売からしばらくたった物でも販売に結び付けたくて、すぐ電話で問い合わせしました。来店の方の為に常々興味をもってもらう取り組みをしているので、その中でも新しい売り場を感じてもらうのに丁度良いと思いました。タブレットで試聴できて、サンプル盤も必要ないとの事なので売り場を作りやすいかもしれないと思いました。あとは費用もそこまで高くなかったです。店舗が取り組みたい事を実現できると考えたらコストパフォーマンスは良いと感じました」

■来店客の為にも新しい売り場をつくる

── 「実際、導入してみた感想をおしえてください」

佐野店長「動作が安定していてトラブルなく運用できてます。サンプル盤が手に入りづらい中、運用する上での安定感は一番かもしれません。あと操作が簡単で良かったです。操作方法の説明についてはお客様にもスタッフにも時間を割く事なくできています。」

── 「CDの登録は、どのような取り決めで行ってますか?」

佐野店長「一番は棚としっかり連動している事。お客様が混乱しないようにスムーズに実際のCDとタブレットの中のCDが連動するように心掛けてます。登録自体は簡単なのでセル担当のスタッフに任せてます。」

── 「実際の登録時間はどれぐらいですか?」

佐野店長「ちゃんと計っていないですが短い時間でできていると思いますよ。大概はCDの店着日に棚を整理して、それが終わってから登録作業をするのですが登録による時間ロスを感じた事はないです。CDセルのみに時間を掛けられないのであまり時間とるようだと考えないといけないですけど、その心配はないです。」

── 「試聴されている客層は如何ですか?」

佐野店長「置いている棚がJ-POPなので10代、20代が多い気はします。しかし、上の世代の方にももっと聴いてもらいたいです。操作は簡単ですし十分使いこなせるはずなので。世代を問わず知ってもらう仕組みを考えるのが今の課題といえるかもしれません。」

■フル試聴は購入のポイントをおさえられる

── 「フル試聴も申し込まれてますが如何ですか?」

佐野店長「販売に繋がりやすいと思います。お客様が試聴から購入を考えるポイントは様々なので、イントロなのかサビなのか…全部聴ければ購入のポイントを聴ける機会は増えますから、効果あると思います。」

── 「今後取り組みたいことはありますか?」

佐野店長「やはり多くの方に利用頂けるように取り組みたいです。幅広い利用者がいれば口コミでも広がりますので、地域での存在感をより強くしていければと思います。」

導入実績

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  • 新星堂
  • TSUTAYA
  • 明屋書店
  • ビックカメラ
  • ヤマハミュージック
  • 紀伊國屋書店
  • すばる書店
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  • 今井書店
  • 明林堂書店
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